仕事で使っていたパソコンが壊れて、処分することになった。減価償却の途中だけど、捨てたパソコンの分の仕訳は必要?かかった費用は?
新しいパソコンも一緒に買うなら、古いパソコンの処理と、新しいパソコンの処理を分けて考える必要があります。
この記事では、減価償却中のパソコンを廃棄したときの除却の仕訳と、買い替え時の流れを整理しました。そのまま転記できる仕訳例もつけています。
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- 壊れたパソコンを廃棄したときの勘定科目(除却損)
- 除却損の計算方法(未償却残高の求め方)
- 廃棄しても除却の仕訳が不要なケース
- そのまま転記できる仕訳パターン(摘要欄つき)
- 買い替えるときの流れ
減価償却の途中で壊れたパソコンを廃棄したときは、帳簿に残っている金額(未償却残高)を「除却損」にして、資産から外します。借方は除却損、貸方はパソコンを登録している資産の科目(工具器具備品など)です。
除却とは、固定資産を廃棄したり、取り壊したりすることです。除却損は帳簿の上だけの処理なので、現金は出ていきません。
- 除却損は、廃棄した時点で帳簿に残っている金額です
- 廃棄にかかった費用(回収料など)は、除却損とは別に処理します
- 古いパソコンの処理と、新しいパソコンの購入は別々の仕訳です
売却や下取りに出す場合は、除却とは処理が変わります。迷ったときは、税務署か税理士さんに確認しましょう。
除却損の金額は、廃棄した日の帳簿価額(未償却残高)です。取得価額から、これまでに計上した減価償却費を引いて求めます。
ここで見落としやすいのが、廃棄した年の減価償却費です。廃棄した年は、使った月数分の減価償却費を月割りで計上してから、残りを除却損にします。
前年末の帳簿価額を確認する
取得価額から、これまでの減価償却費を引きます。
廃棄した年の減価償却費を月割りで計算する
1年分の減価償却費に、使った月数÷12をかけます。
残りを除却損にする
前年末の帳簿価額から、廃棄した年の減価償却費を引いた金額が、除却損です。
例として、取得価額240,000円のパソコンを、2024年4月から使い始め、2026年10月に廃棄したケースで計算します。耐用年数は4年、通常の減価償却(定額法)です。
| 項目 | 金額 | 計算 |
|---|---|---|
| 取得価額 | 240,000円 | 2024年4月から使用 |
| 1年分の減価償却費 | 60,000円 | 240,000円÷4年 |
| 2024年の減価償却費 | 45,000円 | 60,000円×9か月÷12か月 |
| 2025年の減価償却費 | 60,000円 | 1年分 |
| 2025年末の帳簿価額 | 135,000円 | 240,000円-45,000円-60,000円 |
| 2026年の減価償却費(1〜10月) | 50,000円 | 60,000円×10か月÷12か月 |
| 除却損 | 85,000円 | 135,000円-50,000円 |
耐用年数が過ぎても、帳簿には備忘価額の1円が残ります。廃棄したときは、この1円も除却損にして、帳簿から外します。
取得したときの処理によっては、廃棄しても除却の仕訳がいらないパソコンもあります。取得した年に全額を経費にしたパソコンや、一括償却資産にしたパソコンは、廃棄しても除却損は出ません。
| 取得時の処理 | 廃棄時の除却仕訳 | 補足 |
|---|---|---|
| 10万円未満で、消耗品費にした | 不要 | 取得した年に全額を経費にしているため、帳簿に資産が残っていません |
| 10万円以上20万円未満で、一括償却資産にした | 不要 | 廃棄しても、3年均等償却を続けます |
| 少額減価償却資産の特例を使った | 不要 | 取得した年に全額を経費にしているため、帳簿に残高がありません |
| 通常の減価償却をしている | 必要 | 帳簿価額が残っていれば、除却損として処理します |
少額減価償却資産の特例を使ったパソコンは、償却資産税の申告対象です。廃棄した場合は、翌年1月の償却資産の申告で反映します(申告先は市区町村)。
勘定科目・金額・摘要欄(メモ)まで、そのまま転記できる形にしました。税込経理の例で、金額は税込です。
この記事では、わたしが普段使っている仕訳パターンを例にご紹介しています。ご自身の状況に合っているかどうかは、お近くの税務署もしくは税理士さんに相談してみてくださいね!
| 借方(左側) | 金額 | 貸方(右側) | 金額 | 摘要(メモ欄) |
|---|---|---|---|---|
| 減価償却費 | 50,000円 | 工具器具備品 | 135,000円 | パソコン減価償却(2026年1〜10月分) |
| 雑費 | 85,000円 | パソコン除却(故障のため廃棄) |
借方が2行になりますが、貸方の工具器具備品は135,000円の1行です。借方の合計も135,000円で、貸方と一致します。これで、帳簿からパソコンが消えます。
- 会計ソフトによって、「雑費」「雑損失」「固定資産除却損」などが使われます
- ソフトの除却機能が自動で入れる科目に合わせても問題ありません
- 一度決めたら、毎年同じ科目で続けます
私用と兼用していたパソコンは、除却損も事業で使った割合の分だけが経費です。私用分は「事業主貸」で外します。
| 借方(左側) | 金額 | 貸方(右側) | 金額 | 摘要(メモ欄) |
|---|---|---|---|---|
| 支払手数料 | 3,300円 | 現金 | 3,300円 | パソコン回収・処分費用 |
廃棄にかかった費用は、除却損とは別の仕訳です。「雑費」にまとめても構いません。どちらかに決めたら、同じ科目で続けましょう。
回収業者の領収書やメールなど、処分した事実と日付が分かるものは保存しておきましょう。除却の根拠になります。
| 借方(左側) | 金額 | 貸方(右側) | 金額 | 摘要(メモ欄) |
|---|---|---|---|---|
| 雑費 | 1円 | 工具器具備品 | 1円 | パソコン除却(備忘価額) |
古いパソコンの除却(パターン01)とは別に、新しいパソコンの購入の仕訳を入れます。通常の減価償却を選ぶ場合の例です。
| 借方(左側) | 金額 | 貸方(右側) | 金額 | 摘要(メモ欄) |
|---|---|---|---|---|
| 工具器具備品 | 165,000円 | 普通預金 | 165,000円 | パソコン購入(買い替え) |
古いパソコンの除却と、新しいパソコンの購入は、別々の仕訳です。新しいパソコンが10万円未満なら、全額を消耗品費にできます。10万円以上なら、一括償却資産や、青色申告の少額減価償却資産の特例も選べます。
モニターなどの周辺機器を一緒に買い替えたときも、購入時の金額や買い方で処理が変わります。
新しいパソコンの購入にポイントを使った場合は、仕訳の入れ方が変わります。
除却は、年に一度あるかないかの処理です。しかも、月割の減価償却費と除却損の計算が必要になります。固定資産台帳のある会計ソフトなら、計算の抜け漏れを防ぎやすくなります。
会計ソフトは年会費がかかるのがデメリットです。それでも、手書きに比べて格段に手軽で、パソコン・スマホ・マイナンバーカードがあれば、家から一歩も出ずに確定申告まで進められます。
質問に答えていくと、仕訳が作られるタイプの会計ソフトです。固定資産台帳に除却日を登録すると、月割の減価償却費と除却の仕訳を作る機能もあります。
もし簿記の知識があるなら、マネフォの方がおすすめです。日商簿記2級のわたしはマネフォの方が使いやすいので、今も愛用中です。記帳と確定申告もマネフォで行い、半月に1度まとめて入力することで、記帳の手間と心理的な負担を減らしています。
わたしも開業当初の1か月だけfreeeを使っていました。初心者向けのつくりなので、簿記の知識がある人にはやや使いづらい面もありました。仕訳の中身が見えるマネフォは、学びながら記帳したい人にも合います。
税理士を探している方へ|税理士紹介エージェント
「除却損の計算が合っているか不安」「申告まで相談したい」というときは、税理士さんに頼る方法があります。希望に合う税理士を紹介してもらえるサービスです。
記帳作業を任せたい方へ|記帳代行お助けマン
日々の帳簿入力を外部に任せられる、記帳入力のアウトソーシングサービスです。対応エリアなどの条件は、サービスのページで確認してください。
- 減価償却中のパソコンを廃棄したときは、帳簿に残っている未償却残高を「除却損」にして、資産から外します。
- 廃棄した年の減価償却費は、使った月数分を月割りで計上してから、残りを除却損にします。
- 10万円未満で消耗品費にしたパソコンや、一括償却資産にしたパソコンは、除却の仕訳は不要です。特例を使った場合は、償却資産税の申告に注意します。
- 廃棄にかかった回収料などは、除却損とは別に「支払手数料」などで処理します。
- 古いパソコンの除却と、新しいパソコンの購入は、別々に仕訳を入れます。
※ この記事では、わたしが普段使っている仕訳パターンを例にご紹介しています。ご自身の状況に合っているかどうかは、お近くの税務署もしくは税理士さんに相談してみてくださいね!
除却や購入のような大きな取引も、会計ソフトを使えばぐっとラクに記録できます。まずは無料で、操作感を試してみてください。
簿記の知識がある方は、マネーフォワード クラウド会計もおすすめです。
税理士さんに相談したいときは「税理士紹介エージェント」、記帳そのものを任せたいときは「記帳代行お助けマン」も選択肢のひとつです。

