Amazonプライムは、仕事の資料を取り寄せたり、調べものの動画を見たりと、仕事にも使います。でも、家では映画やドラマも見ています。
この料金、全部経費にしていいのか。半分だけなのか。それとも、経費にはならないのか。簿記の知識がないと、手が止まりますよね。
この記事では、Amazonプライムのように私用と兼用しているサブスクを払ったときの仕訳を整理しました。按分割合の決め方と、按分しにくいサブスクの考え方もあわせて解説します。
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この記事でわかること
- 私用と兼用のサブスクを払ったときの仕訳
- 按分割合の決め方(時間・日数・件数)
- 按分しにくいサブスクの考え方
- 事業用口座・私用カードで払った場合の仕訳例
- 経費にするときの注意点
事業用の口座から引き落とされたときは、事業で使った分を経費の科目、私用の分を「事業主貸」で仕訳します。
Amazonプライムのようなサブスクは、1つの料金の中に、仕事で使う部分と私用の部分が混ざっています。このような支出を「家事関連費」といいます。
国税庁のタックスアンサー(No.2210)では、家事関連費のうち必要経費にできるのは、事業に必要な部分を明らかに区分できる場合のその部分だけと説明されています。感覚で「だいたい半分」と決めるのではなく、区分した根拠が必要です。
| 支払い方 | 借方(左側) | 貸方(右側) |
|---|---|---|
| 事業用口座から引き落とし | 経費の科目(事業分) 事業主貸(私用分) | 普通預金(全額) |
| 私用のクレジットカードで支払い | 経費の科目(事業分のみ) | 事業主借(事業分のみ) |
私用のカードで払ったときは、私用分を仕訳する必要はありません。事業の取引ではないからです。事業用のクレジットカードで払った場合は、貸方が「未払金」になり、引き落とし日に(借)未払金/(貸)普通預金で消し込みます。
サブスクの勘定科目に、決まった正解はありません。使う目的に近い科目を選び、同じサブスクは毎年同じ科目で処理しましょう。
| サブスクの使い道 | 科目の例 |
|---|---|
| 仕事の資料・情報収集に使う動画配信や読み放題、電子書籍 | 新聞図書費 |
| オンライン上で作業に使うツールやクラウドサービス | 通信費など |
| 当てはまる科目がない少額のもの | 雑費 |
按分割合に、決まった数字はありません。使い方の実態から、説明できる数字で決めます。
国税庁の所得税基本通達(45-2)では、業務に必要な部分が50%を超えるかどうかで、「主たる部分」にあたるかを判断するとされています。ただし、50%以下でも、必要な部分を明らかに区分できれば、その部分を必要経費にして差し支えないとされています。
数字の出し方は、サブスクの使い方に合わせて選びます。
| 基準 | 考え方 | 計算例(仮の数字) |
|---|---|---|
| 利用時間 | 1週間の利用時間のうち、仕事で使った時間の割合 | 週10時間のうち、仕事が3時間 → 30% |
| 利用日数 | 1か月のうち、仕事で使った日の割合 | 月20日のうち、仕事で使った日が8日 → 40% |
| 利用件数 | 配送特典など、件数で数えられるものの割合 | 月10件の注文のうち、仕事用が4件 → 40% |
注文履歴や視聴履歴を見られるサービスなら、履歴をもとに1~2か月分の数字を出して、割合を決められます。
プライムのように複数の特典がセットになった会費は、会費全体を1つの割合で按分するほうが整理しやすくなります。
私用がほとんどで、仕事で使う場面がはっきりしないサブスクは、割合の数字が出しにくいですよね。事業で使ったと説明できる部分だけを経費にして、説明できない部分は経費にしません。
次の3ステップで考えると整理しやすくなります。
事業専用に切り分けられないか考える
別のアカウントや別のプラン、事業用のカードに分けられるなら、按分そのものが不要になります。Amazonには事業者向けの購買サイト「Amazonビジネス」があり、事業の買い物を私用のアカウントと分けて管理できます。条件や料金は、Amazonの公式ページで確認してください。
事業で使った場面を記録で説明できるか確認する
仕事の資料集めに使った日や、事業用の注文など、使った場面を履歴やメモで示せるかを見ます。説明できる部分だけが、按分の対象です。
説明できない部分は、経費にしない
区分できないものに、無理に割合をつける必要はありません。事業用口座から引き落とされているなら、全額を「事業主貸」にします。
「仕事に役立つかもしれない」という理由だけでは、事業に必要だったと説明しにくくなります。事業にどう必要だったのかを、具体的に言える使い方かどうかが分かれ目です。
例として、仕事の資料集めにも使う動画配信サービス(月額1,000円)を取り上げます。事業で使う割合は50%と仮定しました。金額は計算しやすい仮の数字です。勘定科目・金額・摘要欄(メモ)まで、そのまま転記できる形にしています。
仕訳パターン 01| 借方(左側) | 金額 | 貸方(右側) | 金額 | 摘要(メモ欄) |
|---|---|---|---|---|
| 新聞図書費 | 500円 | 普通預金 | 1,000円 | 動画配信サービス月額(事業割合50%) |
| 事業主貸 | 500円 | 私用分(50%) |
日付は、引き落とされた日にそろえます。毎月同じ形の仕訳になります。
仕訳パターン 02| 借方(左側) | 金額 | 貸方(右側) | 金額 | 摘要(メモ欄) |
|---|---|---|---|---|
| 新聞図書費 | 500円 | 事業主借 | 500円 | 動画配信サービス月額(事業割合50%・私用カード払い) |
私用分の500円は、事業の取引ではないので仕訳しません。事業分だけを、経費と事業主借で記録します。
仕訳パターン 03| 借方(左側) | 金額 | 貸方(右側) | 金額 | 摘要(メモ欄) |
|---|---|---|---|---|
| 事業主貸 | 1,000円 | 普通預金 | 1,000円 | 動画配信サービス月額(私用のため経費にしない) |
事業用口座から引き落とされているときは、全額を事業主貸にして、口座の残高と帳簿をそろえます。私用のカードで払っているなら、そもそも仕訳は不要です。
摘要欄に「事業割合50%」と書いておくと、翌年に割合を見直すときの目印になります。会計ソフトの多くは、毎月同じ取引を自動で仕訳するルールを登録できます。
※ この記事では、執筆時点(2026年10月)の一般的な情報と仕訳パターンを例にご紹介しています。ご自身の状況に合っているかどうかは、お近くの税務署もしくは税理士さんに相談してみてくださいね!
按分の根拠は、履歴の画面メモや計算メモで残しておきます。あとから「なぜこの割合なのか」を説明できる状態にしておくためです。
私用でも使うのが当たり前のサブスクで事業の割合を高くすると、説明が難しくなります。割合を高くするなら、その理由を言える使い方かどうかを確認しましょう。
仕事で使う頻度が変わったら、割合も見直します。年の途中で変わったときは、変わった時点から新しい割合にします。
年額プランなどは、経費にする時期の扱いが分かれることがあります。年払いにするときは、税務署か税理士さんに確認しておくと安心です。
サブスクの按分仕訳は、毎月同じ形のくり返しです。手書きやExcelだと、地味に手間がかかります。クラウド会計ソフトなら、口座やカードの明細を取り込んで、仕訳の候補を出してくれます。
会計ソフトは、年会費がかかるのがデメリットです。それでも手書きに比べて格段に手軽で、パソコン・スマホ・マイナンバーカードがあれば、家から出ずに確定申告まで進められます。わたしは半月に1度、まとめて入力して、記帳の手間と気持ちの負担を減らしています。
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この記事のまとめ
- 事業用口座から払ったときは、事業分を経費の科目、私用分を「事業主貸」で仕訳します。
- 私用のカードで払ったときは、事業分だけを(借)経費の科目/(貸)事業主借で仕訳します。
- 按分割合は、利用時間・利用日数・利用件数など、説明できる基準で決めます。
- 按分しにくいときは、事業専用に切り分けます。説明できない部分は経費にしません。
- 割合の根拠は、履歴やメモで残しておきます。
※ この記事では、執筆時点(2026年10月)の一般的な情報と仕訳パターンを例にご紹介しています。ご自身の状況に合っているかどうかは、お近くの税務署もしくは税理士さんに相談してみてくださいね!
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