「インボイス登録したけど、消費税の仕訳ってこれで合っているのかな…?」と、確信が持てず悩んではいませんか?日々の取引は今までどおり税込価格で入力しているけれど、消費税を納税したらどうやって仕訳すればいいの?確定申告の時期が近づくにつれて、そんな不安を抱いている個人事業主の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、インボイス登録後、実際発生する消費税の仕訳方法を、本則課税・簡易課税それぞれの具体例つきでご紹介します。
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- 税込経理方式での消費税仕訳の基本的な考え方
- 本則課税・簡易課税、それぞれの仕訳例(勘定科目・金額・摘要欄)
- 中間申告と確定申告(決算)時の仕訳の違い
- 2027年以降に向けて、今のうちに準備しておきたいこと
まず先に整理しておきたいのは、日々の取引を税込価格で記帳しているなら、その部分は今までの記帳方法を変える必要はないということです。売上も経費も、これまでどおり税込金額のまま入力して大丈夫。
消費税を意識した仕訳が必要になるのは、実際に納める消費税額が確定したタイミングだけです。具体的には、決算(確定申告)のときと、該当する場合は中間申告のときの2つ。「税込価格で仕訳しておいて、納税のときにまとめて処理する」という理解で、大きくは間違っていません。
税込経理方式を選んでいる場合、日々の売上・経費の仕訳に消費税を分けて記載する必要はありません。「仮受消費税」「仮払消費税」という科目を使うのは、税抜経理方式を選んでいる場合だけです。
インボイス登録にあわせて課税事業者になった個人事業主の多くは、これまで「2割特例」(売上にかかる消費税額の2割を納める経過措置)を利用してきたのではないでしょうか。ですが、2割特例が適用されるのは個人事業主の場合2026年分の確定申告までです。2027年分からは、本則課税か簡易課税のどちらかで消費税額を計算することになります。
2割特例が終わったあと、どちらを選べばいいか迷っている方はこちらもどうぞ。
>> インボイス2割特例が終了|個人事業主の次の一手は?
売上にかかった消費税から、仕入や経費にかかった消費税を差し引いて納税額を計算する方法です。差し引くためには、取引先から受け取ったインボイス(適格請求書)の保存が必須。実際の経費が多い年は納税額を抑えやすい一方、日々の管理はやや手間がかかります。
売上にかかった消費税に、業種ごとに決められた「みなし仕入率」をかけて納税額を計算する方法です。Webライターなど在宅ワーカーの多くは、サービス業等にあたる第五種事業(みなし仕入率50%)に該当することが多いです。実際の経費を細かく集計しなくていいぶん、事務負担は軽くなります。
簡易課税を選ぶには、原則として適用を受けたい年の前年12月31日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を税務署に提出する必要があります。2027年分から簡易課税にしたい場合は、2026年12月31日が提出期限の目安です。届出をしないまま2割特例が終わると、自動的に本則課税が適用されるため注意しましょう。
以下でご紹介する仕訳例は、それぞれの課税方式における一般的な処理パターンです。実際にご自身の状況に合っているかどうかは、お近くの税務署もしくは税理士さんに相談してみてくださいね!
例)年間の売上にかかる消費税額が330,000円、第五種事業(みなし仕入率50%)に該当する場合、納税額は165,000円になります。
決算時(未払計上する場合)の仕訳
| 借方(左側) | 金額 | 貸方(右側) | 金額 | 摘要(メモ欄) |
|---|---|---|---|---|
| 租税公課 | 165,000円 | 未払消費税等 | 165,000円 | 令和8年分 消費税確定申告分 |
納付時の仕訳
| 借方(左側) | 金額 | 貸方(右側) | 金額 | 摘要(メモ欄) |
|---|---|---|---|---|
| 未払消費税等 | 165,000円 | 普通預金 | 165,000円 | 消費税 確定申告分納付 |
例)売上にかかる消費税額が330,000円、経費・仕入にかかる消費税額(インボイス保存分)が120,000円の場合、納税額は差額の210,000円になります。
| 借方(左側) | 金額 | 貸方(右側) | 金額 | 摘要(メモ欄) |
|---|---|---|---|---|
| 租税公課 | 210,000円 | 未払消費税等 | 210,000円 | 令和8年分 消費税確定申告分 |
| 借方(左側) | 金額 | 貸方(右側) | 金額 | 摘要(メモ欄) |
|---|---|---|---|---|
| 未払消費税等 | 210,000円 | 普通預金 | 210,000円 | 消費税 確定申告分納付 |
決算時に未払計上をせず、翌年の納付時にそのまま「租税公課/普通預金」で処理する方法もあります。まとめて処理したい方は、こちらのほうがシンプルに感じるかもしれません。
前年の消費税額が一定額を超えると、年の途中で中間申告・中間納付が必要になることがあります。中間申告時は「未払消費税等」を使わず、納付のタイミングでそのまま処理する点が決算時と異なります。
例)中間納付額が80,000円の場合
| 借方(左側) | 金額 | 貸方(右側) | 金額 | 摘要(メモ欄) |
|---|---|---|---|---|
| 租税公課 | 80,000円 | 普通預金 | 80,000円 | 消費税 中間申告分納付 |
消費税を納付したあと、還付が発生するケースについてはこちらで整理しています。
>> 確定申告の還付金はいつ振り込まれる?目安と対処法
簡易課税は一度選択すると、原則として2年間は継続して適用しなければなりません。「今年だけ本則課税に戻す」といった調整はできない点に注意しましょう。
本則課税で仕入税額控除を受けるには、取引先から受け取ったインボイス(適格請求書)の保存が必須です。登録番号のない請求書や領収書では、控除を受けられない場合があります。
税込経理方式・税抜経理方式のどちらを選ぶかは事業者の任意ですが、一度選んだら同一年内はすべての取引で同じ方式にそろえる必要があります。
消費税以外にも、今のうちに見直しておきたい節税の選択肢があります。
>> 【個人事業主向け】ふるさと納税の申告の仕方を解説
日々の取引を税込価格で記帳している場合、消費税を意識した仕訳が必要になるのは納税額が確定したタイミングだけです。2027年分からは本則課税か簡易課税かを選ぶことになるので、簡易課税を検討している方は2026年12月31日までの届出を忘れずに。どちらの方式でも、決算時に「租税公課/未払消費税等」で計上し、納付時に「未払消費税等/普通預金」で処理するという流れは共通しています。
課税方式が切り替わるタイミングは、記帳のやり方を見直すいい機会でもあります。会計ソフトを使えば、勘定科目の選択や消費税の仕訳もまとめて手軽にできます。
仕訳の中身を見ながら記帳したい方には、マネーフォワード クラウド会計もおすすめです。日商簿記2級のわたしは、こちらのほうが使いやすく感じていて、今も愛用しています。
簡易課税・本則課税どちらを選ぶか迷ったときや、事業区分の判定に自信が持てないときは、税理士に相談するのも一つの方法です。
記帳する取引量が増えて、入力作業そのものが負担になってきたら、記帳代行という選択肢もあります。


