「今年、売上が1000万円を超えそう。来年からいきなり消費税を払うことになるの?」
在宅ワークの仕事が増えて売上が伸びてくると、こんな不安が出てきます。実は、消費税の課税事業者になるかどうかは今年の売上ではなく、もっと前の売上で決まることをご存知でしたか?この記事では、消費税の課税事業者になる基準となる「基準期間」の考え方を整理しました。
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- この記事でわかること -
- 消費税の課税事業者になる基準(基準期間とは)
- なぜ「前々年」の売上で判定されるのか
- 具体例で見る、課税事業者になるタイミング
- 判定のときに注意しておきたいポイント
消費税の納税義務があるかどうかは、基準期間における課税売上高が1000万円を超えるかどうかで判定されます。個人事業主の基準期間は「前々年」の1月1日から12月31日までです。たとえば2026年が基準期間1000万円超だった場合、消費税の納税義務が発生するのは2年後の2028年から、という流れになります。すでにインボイス登録をして適格請求書発行事業者になっている場合は、この基準にかかわらず課税事業者です。
消費税の課税事業者になると、売上にかかる消費税から仕入や経費にかかった消費税を差し引いて納税額を計算する必要があります。この準備には一定の期間が必要なので、直近の売上ではなく、2年前という確定した実績をもとに、あらかじめ判定するしくみになっています。
開業1年目・2年目は、判定のもとになる前々年の実績自体が存在しません。そのため、原則としてこの2年間は免税事業者になります。ただし、後述する特定期間の条件に当てはまる場合や、インボイス登録をしている場合は、開業2年目以内でも課税事業者になることがあります。
→ 【個人事業主向け】インボイス登録後の消費税の仕訳
ここでは、売上の推移をもとに、いつから課税事業者になるのかを見てみます。
| 年 | その年の課税売上高 | 基準期間(前々年)の売上 | その年の判定 |
|---|---|---|---|
| 2025年 | 800万円 | なし(開業1年目) | 免税事業者 |
| 2026年 | 1,200万円 | 2024年:なし | 免税事業者 |
| 2027年 | 900万円 | 2025年:800万円 | 免税事業者 |
| 2028年 | 950万円 | 2026年:1,200万円 | 課税事業者 |
2026年に売上が1000万円を超えても、その年はまだ免税事業者のままです。2年後の2028年になって、はじめて納税義務が発生します。「今年の売上が1000万円を超えたから、今年から急に消費税を払う」ということは基本的に起こりません。
基準期間の売上が1000万円以下でも、前年1月1日から6月30日までの「特定期間」の課税売上高と、その期間の給与等支払額の両方が1000万円を超えている場合は、その年から課税事業者になります。売上か給与のどちらか一方だけが超えている場合は対象外です。
すでにインボイス発行事業者として登録している場合は、基準期間の売上にかかわらず課税事業者です。2026年9月末でインボイス2割特例が終了するタイミングとも重なるため、登録状況とあわせて確認しておくと安心です。
課税売上高には、消費税のかからない取引(非課税売上)は含みません。売上の中身によって、実際の課税売上高が総売上と異なることもあります。
→ インボイス2割特例が終了|個人事業主の次の一手は?
消費税の課税事業者になるかどうかは、今年の売上ではなく、基準期間(前々年)の課税売上高が1000万円を超えるかどうかで判定されます。開業1・2年目は基準期間がないため原則免税事業者ですが、特定期間の条件やインボイス登録の有無によっては例外もあります。自分の基準期間がいつなのか、一度カレンダーで確認しておくと安心です。
基準期間や特定期間の売上を正確に把握するには、日々の記帳を後回しにしないことが近道です。クラウド会計ソフトを使えば、売上の集計から消費税の判定材料まで、迷わず管理できます。
もし簿記の知識があるなら、マネーフォワード クラウド会計の方が使いやすいと感じるかもしれません。仕訳の中身を確認しながら記帳できるので、日商簿記2級のわたしも、こちらを愛用しています。
課税事業者になるタイミングの判断に不安があるなら、税理士に相談する方法もあります。希望に合う税理士を無料で紹介してもらえます(相談自体は有料です)。
記帳する取引量が増えて入力作業そのものが負担になってきたら、記帳をアウトソーシングするという選択肢もあります。
まずは無料で始めてみて、日々の記帳から見直してみてくださいね。
→ 【個人事業主向け】予定納税とは?対象条件と減額申請の方法


