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取材の交通費を立て替えたとき・クライアントに請求したときの仕訳

取材の交通費をクライアントに立て替えて請求したときの仕訳(立替金) Webライター

取材先までの電車代を自分で払った。あとでクライアントに請求する予定だけれど、帳簿にはどう書けばいいの?

立替金にするのか、売上と経費の両方に入れるのか。報酬と一緒に交通費が振り込まれたら、入金額が請求額と合わないこともあるし、源泉徴収の対象になるのかも気になる…。

この記事では、立替金で処理する方法と、売上+旅費交通費で処理する方法の違いを整理しました。仕訳例は、そのまま帳簿に転記できる形にしています。

本記事はアフィリエイト広告を含みます。

この記事でわかること
  • 立替金方式と、売上+旅費交通費方式の違い
  • それぞれの仕訳例(立て替えたとき・請求したとき・入金されたとき)
  • 報酬と一緒に払われる交通費が源泉徴収の対象になるケース
  • 方式の選び方と、仕訳するときの注意点
ご確認ください

この記事では、一般的な仕訳パターンを例にご紹介しています。税務の取り扱いは、国税庁の情報(令和8年4月1日現在)をもとにまとめています。ご自身の状況に合っているかどうかは、お近くの税務署もしくは税理士さんに相談してみてくださいね!

取材の交通費の仕訳は「立替金」と「売上+旅費交通費」の2通り

取材で使った交通費をクライアントに請求するときの仕訳は、立替金で処理する方法と、売上と旅費交通費の両方に計上する方法の2通りです。

どちらの方法でも、最終的な利益(もうけ)は変わりません。違うのは、請求した交通費を「売上」に含めるかどうかです。

立替金は、クライアントの代わりに一時的に払ったお金を、あとで返してもらう権利(資産)として記録する科目です。売上にも経費にもならないので、交通費の分だけ売上が膨らむことはありません。

売上+旅費交通費の方法は、請求した交通費を報酬と同じように売上に入れ、払った交通費は経費として並べて記録します。売上と経費が同じ額だけ増えるので、利益額は立替金のときと同じになります。

比較項目立替金方式売上+旅費交通費方式
請求した交通費売上に含めない売上に含める
払ったときの借方立替金旅費交通費
利益への影響なしなし(売上と経費が同額増える)
向いている場面請求書で交通費(実費)を報酬と分けて書くとき報酬と交通費を合算して請求するとき
売上の見え方報酬の分だけ交通費の分だけ大きくなる
POINT:請求しない交通費は「旅費交通費」だけ

交通費を請求せず、報酬に込みで受け取る契約なら、払った交通費を旅費交通費として経費にするだけです。立替金や売上の話は、クライアントに実費を請求するときに出てきます。

立替金で処理するときの仕訳例

報酬と交通費を分けて請求する場合の流れです。立替金で処理するときは、立て替えたときの借方を「旅費交通費」ではなく「立替金」にします。仕訳は「立て替えたとき」「請求したとき」「入金されたとき」の3回です。

仕訳例 01

取材の往復電車代3,000円を現金で支払い、執筆料20,000円とあわせて請求。交通費は報酬と分けて請求し、源泉徴収は執筆料20,000円の分(10.21%で2,042円)だけが行われた場合です。消費税は考えない簡易例にしています。

1. 交通費を立て替えたとき
借方金額貸方金額摘要
立替金3,000円現金3,000円○○社取材 往復交通費(請求予定)
2. クライアントに請求したとき
借方金額貸方金額摘要
売掛金23,000円売上20,000円○○社 ○月分 執筆料
--立替金3,000円○○社取材 交通費立替分

請求書を出した時点で、立替金は売掛金に振り替わって消えます。立替金の残高が残っているときは、請求もれのサインです。

3. 入金されたとき
借方金額貸方金額摘要
普通預金20,958円売掛金23,000円○○社 ○月分 入金
事業主貸2,042円--源泉徴収税額(仮払金とする方法もあります)
POINT:支払い方法で貸方が変わる

交通費を事業用のクレジットカードで払ったなら貸方は「未払金」、個人のお金で払ったなら「事業主借」にします。借方が「立替金」であることは変わりません。

取材で宿泊して、宿泊費もまとめて請求する場合も流れは同じです。借方を立替金にするだけです。宿泊費の科目や、家事按分がいらない理由はこちらで整理しています。

売上+旅費交通費で処理するときの仕訳例

報酬と交通費を合算して請求する場合の流れです。払ったときは「旅費交通費」、請求したときは交通費の分も「売上」に含めます。

仕訳例 02

取材の往復電車代3,000円を現金で支払い、執筆料20,000円と合算して23,000円を請求。支払う側が23,000円全体を源泉徴収の対象とした場合です(23,000円×10.21%=2,348円。1円未満は切り捨て)。

1. 交通費を払ったとき
借方金額貸方金額摘要
旅費交通費3,000円現金3,000円○○社取材 往復交通費
2. クライアントに請求したとき
借方金額貸方金額摘要
売掛金23,000円売上23,000円○○社 ○月分 執筆料(取材交通費含む)
3. 入金されたとき
借方金額貸方金額摘要
普通預金20,652円売掛金23,000円○○社 ○月分 入金
事業主貸2,348円--源泉徴収税額(仮払金とする方法もあります)
POINT:利益は立替金方式と同じ

売上23,000円から旅費交通費3,000円を引くと20,000円です。仕訳例 01の売上20,000円と同じ利益額になります。

取材が増えると、立て替え・請求・入金の3回分の入力が案件ごとに発生します。簿記の知識がなくても、質問に答えていくだけで仕訳がつくられる会計ソフトなら、勘定科目で迷う時間を減らせます。

報酬と一緒に払われる交通費は源泉徴収の対象になる?

原稿料は源泉徴収の対象で、税率は支払金額100万円以下の部分で10.21%です(100万円を超える部分は20.42%)。

では、報酬と一緒に払われる交通費はどうでしょうか。国税庁のタックスアンサーでは、旅費や宿泊費の支払も、原則として報酬・料金等に含まれ、源泉徴収の対象になるとされています。

例外は、通常必要な範囲の金額を、支払う側が直接ホテルや旅行会社等に支払った場合です。この場合は報酬に含めなくてよいとされています。ライターが自分で払った交通費を請求するケースは、この例外にあてはまらないため、原則どおりなら交通費も源泉徴収の対象です。

仕訳例 01と02の入金額を比べると、差がよくわかります。

ケース源泉徴収の対象源泉徴収税額入金額
交通費を区分して、報酬分だけ対象(仕訳例 01)20,000円2,042円20,958円
交通費を含めた全額が対象(仕訳例 02)23,000円2,348円20,652円

差は306円です。ただ、源泉徴収された所得税は、確定申告で計算した所得税から差し引かれます。差し引かれた分が損になるわけではなく、納める税金の前払いと考えてください。

実務では、実費を報酬と分けて明記し、立替精算として源泉徴収の対象外にする運用もあるといわれています。ただ、どう扱うかは支払う側(クライアント)の判断です。帳簿には、支払明細に書かれた実際の源泉徴収税額をそのまま記帳します。

取材先に謝礼を支払うときの源泉徴収は、また別の整理が必要です。こちらにまとめています。

立替金か売上か、迷ったときの選び方

請求書の書き方に合わせて方式を選び、同じクライアントでは方法を揃えると、迷いにくくなります。

1
請求書の形を確認する報酬と交通費(実費)を別の行に分けて書いているかを見ます。
2
分けているなら立替金方式交通費は売上に入れず、立替金で処理します。
3
合算しているなら売上+旅費交通費方式交通費の分も売上に含め、払った分を旅費交通費にします。
4
同じクライアントでは揃える案件ごとに方法が変わると、売上の集計や入金の照合がわかりにくくなります。
取材の交通費を仕訳するときの注意点
見落としやすいポイント
領収書やICカードの履歴を残す摘要に取材先・案件名・取材日を入れておくと、請求書の金額と照らし合わせやすくなります。
入金額が合わないときは、源泉徴収を確認する請求額より入金額が少ないときは、支払明細で源泉徴収の対象になった金額を確認します。
消費税の課税事業者は、課税売上の扱いに注意する立替金として処理しても、請求した交通費を含めて課税売上として扱うと説明されることがあります。課税事業者の方は、税理士さんや税務署に確認すると安心です。

交通費以外の取材まわりの費用は、別の科目で処理します。取材先への手土産は、交通費とは別に整理します。

名刺の作成費用も、取材ごとに請求する交通費とは違い、自分の事業全体のための費用として処理します。

まとめ
取材の交通費の仕訳まとめ

取材の交通費は、立替金で処理しても、売上+旅費交通費で処理しても、利益額は変わりません。請求書の形に合わせて選び、同じクライアントでは方法を揃えましょう。

  • 立替金方式:立て替えたときの借方は「立替金」。請求時に売掛金へ振り替わる
  • 売上+旅費交通費方式:払ったときは「旅費交通費」、請求時は交通費も「売上」に含める
  • 報酬と一緒に払われる交通費は、原則として源泉徴収の対象。帳簿には実際の源泉徴収税額を記帳する

参考:国税庁 No.2795 原稿料や講演料等を支払ったとき

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