「国民健康保険料や国民年金って、経費にできるのかな?」
「事業のために払っているようなものだし、勘定科目は何にすればいいんだろう…」
確定申告の時期が近づくと、こんな疑問を抱く方は少なくありません。特に在宅ワークを始めたばかりだと、生活費と事業経費の線引きに迷う場面が多いですよね。
経費として仕訳をしてしまうと、確定申告の内容を誤って申告してしまう可能性があります。この記事では、なぜ経費にならないのか、正しくはどう扱えばいいのかを整理しました。
- 国民健康保険料・国民年金が経費にならない理由
- 「社会保険料控除」の仕組みと反映のされ方
- 事業用口座から支払った場合の処理方法(仕訳例)
- 処理をするうえでの注意点
経費(必要経費)とは、事業を行うために直接必要な支出のことです。通信費や消耗品費のように、売上を得るための支出であれば経費として計上できます。
一方、国民健康保険料や国民年金保険料は、事業主個人の生活基盤や社会保障を支えるための支払いであり、事業のための支出ではありません。そのため必要経費には含まれず、「事業主個人の支出」として扱われます。
個人事業主の税金の仕組みには、必要経費とは別に「所得控除」という制度が用意されています。国民健康保険料・国民年金保険料は、支払った全額を所得から差し引ける「社会保険料控除」の対象です。経費にならないからといって、税金の計算上不利になるわけではありません。
社会保険料控除は、所得税や住民税を計算するもとになる「所得」から、支払った社会保険料の全額を差し引ける制度です。確定申告書の該当欄に、1年間に支払った金額をまとめて記入します。
口座振替の場合は通帳の記録、現金や納付書で支払った場合は領収書や控除証明書が金額の根拠になるため、手元に残しておくと申告時にスムーズです。
国民健康保険料や国民年金保険料は、本来はプライベート用の口座から支払うのが基本です。ただ、うっかり事業用口座から引き落とされてしまうこともありますよね。その場合は、経費の勘定科目ではなく「事業主貸」で処理します。
通信費や保険料といった経費の科目で仕訳してしまうと、事業の利益が実際より少なく計算されてしまいます。事業用口座から出た場合でも、必ず「事業主貸」で処理しましょう。
| 日付 | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 | 摘要(メモ) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026/6/30 | 事業主貸 | 100,000円 | 普通預金 | 100,000円 | 国民健康保険料 6月分 |
社会保険料控除と経費は、混同しやすいポイントがいくつかあります。申告前に、以下のような点を確認しておくと安心です。
生計を一にする配偶者や子どもの国民健康保険料・国民年金保険料を自分がまとめて支払っている場合も、その全額を自分の社会保険料控除として申告できます。世帯でどちらがまとめて申告するかを、事前に決めておくとよいでしょう。
口座振替であれば通帳の記録だけで金額を確認できるケースが多いですが、現金での納付や、まとめ払いをした場合は、納付済みを示す領収書や控除証明書をなくさないよう保管しておきましょう。
他の所得控除とあわせて、年間を通じた税金の最適化を考えたい方は、ふるさと納税を活用するのも一つの方法です。
「事業主貸の処理であっているか不安…」「控除欄への記入方法がよくわからない…」というときは、無理せずプロの力を借りるのも一つの方法です。希望条件に合った税理士を紹介してもらえるサービスなら、審査を通過した信頼性の高い税理士さんに相談できます。
- 国民健康保険料・国民年金保険料は経費ではなく「社会保険料控除」の対象
- 支払った全額を所得から差し引けるため、経費にならなくても税金の計算上不利にはならない
- 事業用口座から支払った場合は、経費科目ではなく「事業主貸」で処理する
- 家族の分をまとめて支払った場合も、自分の社会保険料控除として申告できる
- 判断に迷ったときは、税務署や税理士に確認するのが安心
国民健康保険料や国民年金保険料の扱いを正しく理解しておくと、確定申告のときに迷わず記入できます。日々の記帳をできるだけ手軽に済ませたい方は、帳簿付けそのものをクラウド会計ソフトに任せるのもおすすめです。
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