子どもが「のどが痛い」と発熱し、病院で「A群溶血性レンサ球菌感染症の疑いがあります」と言われて戸惑っていませんか。
「溶連菌」という言葉は聞いたことがあっても、正式名称や詳しい症状までは知らないという方も多いはずです。
この記事では、A群溶血性レンサ球菌感染症の症状や治療法、似ている病気との違いについてわかりやすくまとめました。
- A群溶血性レンサ球菌感染症がどんな病気なのか
- 主な症状とあらわれ方
- 治療の考え方と受診の目安
- 症状が似ている別の病気との違い
SummaryA群溶血性レンサ球菌感染症は、「溶連菌」と呼ばれる細菌に感染することで起こる、突然の発熱とのどの痛みが特徴の感染症です。
正式には「化膿レンサ球菌(Streptococcus pyogenes)」という細菌が原因で、のどの炎症のほか、皮膚の感染症や猩紅熱と呼ばれるタイプを引き起こすこともあります。
咳やくしゃみによる飛沫感染のほか、患者の分泌物や傷口の浸出液に触れることによる接触感染でもうつります。
冬場と、春から初夏にかけての年2回、流行のピークがみられる傾向があります。
2〜5日ほどの潜伏期間を経て、次のような症状があらわれます。
急な発熱とのどの強い痛みが代表的な症状で、倦怠感や嘔吐を伴うこともあります。
咳や鼻水といった、いわゆる風邪の症状が目立たないのも特徴のひとつです。
細かい赤い発疹が全身に広がったり、舌の表面がイチゴのようにブツブツと赤くなる「いちご舌」があらわれたりすることがあります。
熱や発疹が落ち着いたあと、手足の皮がむけてくる場合もありますが、これも回復過程の一部です。
A群溶血性レンサ球菌感染症は、抗菌薬による治療でしっかり治せる病気です。
ただし、治療が不十分だと、数週間後に急性糸球体腎炎やリウマチ熱といった合併症を起こすことがあります。
むくみや血尿、関節の痛みなど、治った後に気になる症状が出た場合は、早めに医療機関を受診してください。
A群溶血性レンサ球菌感染症は、喉のぬぐい液を使った迅速検査で診断されることが多く、ペニシリン系やマクロライド系の抗菌薬による治療が中心となります。
抗菌薬を使うと熱やのどの痛みは比較的早く落ち着きますが、合併症を防ぐためには、医師の指示された日数分をきちんと飲みきることが大切です。
症状がつらいときは、解熱剤やのどごしのよい食事で様子をみながら、水分補給を心がけましょう。
体調が回復し、医師の許可が出たら登園・登校を再開できますが、最終的な判断はかかりつけ医や園・学校の方針に従いましょう。
予防接種はなく感染を100%防ぐ方法もないため、こまめな手洗いと咳エチケットが日常でできる基本の対策です。
発熱やのどの痛み、発疹といった症状は、A群溶血性レンサ球菌感染症以外の病気でも見られます。
- 手足口病:発熱に加えて、手のひらや足の裏に水ぶくれのような発疹が出ます。
- ヘルパンギーナ:突然の高熱とのどの奥の水疱が特徴で、手足の発疹は伴いません。
- 川崎病:高熱が続き、いちご舌や発疹、目の充血などがみられる病気で、専門的な治療が必要です。
水ぶくれのような発疹が出る「手足口病」との違いはこちら。
手足口病とは?子どもの症状や受診目安をやさしく解説同じく高熱が出る「ヘルパンギーナ」との違いはこちら。
ヘルパンギーナの症状は?手足口病との違いも解説見た目だけで判断するのは難しいため、迷う場合は自己判断で様子を見続けず、小児科を受診して相談すると安心です。
- A群溶血性レンサ球菌感染症は、発熱とのどの痛みが特徴の細菌感染症
- いちご舌や発疹がみられる「猩紅熱」タイプもある
- 抗菌薬による治療が中心で、飲みきることが合併症予防につながる
- むくみや血尿など、治った後の症状にも注意が必要
早めに気づき、落ち着いて対応することが、お子さんの負担をやわらげる一番の近道です。


