謹んでお悔やみ申し上げます。
「心不全」という言葉はニュースなどでよく見聞きするものの、実際にどんな病気なのか、はっきり説明できる人は多くないかもしれません。
動悸や息切れ、足のむくみなど、日常のちょっとした不調と見分けがつきにくいことも、この病気のやっかいなところです。
本記事では、慢性心不全の基礎知識から症状、治療法、似た症状が出る病気まで、やさしく解説していきます。
- 慢性心不全がどんな病気か
- 見逃しやすい初期症状のサイン
- 主な治療法と日常生活での注意点
- 似た症状が出るほかの病気との見分け方
慢性心不全とは、心臓が血液を全身へ送り出すポンプ機能が慢性的に低下し、体のさまざまな臓器に十分な血液が届きにくくなっている状態のことです。
日本循環器学会では、心不全を「心臓の機能が低下することで息切れやむくみが起こり、少しずつ症状が悪化して、生命にも関わる病気」と位置づけています。
心不全のなかでも、症状が急に現れるものを「急性心不全」、時間をかけてゆっくり進行するものを「慢性心不全」と呼びます。
原因となる病気はさまざまで、高血圧、心筋梗塞などの虚血性心疾患、心臓の筋肉そのものに異常が起こる心筋症、心臓の弁の働きが低下する弁膜症などが代表的です。
また、心臓の左側に負担がかかるタイプを「左心不全」、右側に負担がかかるタイプを「右心不全」と呼び、両方が同時に起こることも少なくありません。
慢性心不全は一度発症すると完全に元通りに治すことが難しく、治療によって症状をコントロールしながら、長く付き合っていく病気ともいえます。
慢性心不全が疑われる場合、まず胸部レントゲン写真や心電図、血液検査で心臓や肺の状態を確認します。
あわせて心臓超音波検査(心エコー)を行うと、心臓の動きやポンプ機能の低下具合をより詳しく把握することができます。
これらの検査でさらに詳しい情報が必要と判断された場合は、CTやMRI、心臓カテーテル検査などが追加されることもあります。
血液検査では、心臓に負担がかかっているときに増える「BNP」という物質の数値も、診断の目安のひとつとして使われています。
慢性心不全の症状は初期には気づきにくく、風邪や加齢による疲れと勘違いされてしまうことも少なくありません。
代表的な症状を、見逃しやすいポイントとあわせて見ていきましょう。
階段や坂道を上るときに、以前より息切れしやすくなったと感じることがあります。
進行すると、横になっているだけで息苦しくなったり、夜間に突然の呼吸困難で目が覚めたりすることもあります。
心臓のポンプ機能が弱ると血液の流れが滞り、足首やすねを中心にむくみが出やすくなります。
数日のうちに体重が急に増えた場合は、体に余分な水分がたまっているサインかもしれません。
心臓が普段より頑張って働こうとするため、動悸を感じたり、少し動いただけでどっと疲れを感じたりします。
「立っているのがつらい」「何をするのも億劫」といった感覚が続く場合は注意が必要です。
胃腸のむくみによって食欲が落ちたり、肺にたまった水分が刺激となって痰を伴う咳が続いたりすることもあります。
まれに、ピンク色の泡のような痰が出ることもあり、これは症状がかなり進行しているサインと考えられています。
息切れ・呼吸が苦しい・胸が苦しい・動悸がする・尿の量が減った・足がむくんだ・数日で体重が3キロ以上増えた。
これらのサインは症状悪化の前触れである可能性があるため、自己判断せず早めに主治医や医療機関に相談しましょう。
「ホーム心臓ドック」なら、専用の機器を自宅にレンタルし、9時間以上の心電図を記録することで、たまにしか現れない不整脈も見つけやすいのが特徴です。
検査は通院不要・痛みもなく、結果は医師監修のレポートとして届くため、受診を検討するひとつの目安にもなります。
慢性心不全の治療は、原因となっている心臓病そのものへの治療と、心不全の症状をやわらげるための治療の、大きく2つに分けて考えられます。
症状が軽い場合は、内服薬によって心臓の負担を減らしたり、体内の余分な水分を排出したりする治療が中心になります。
血圧を下げる薬や利尿薬、心臓の働きを助ける薬など、状態に合わせていくつかの薬が組み合わされます。
症状が重くなった場合は、入院のうえで安静を保ちながら、酸素吸入や点滴による治療が必要になることもあります。
重症化したケースでは、両心室ペースメーカーによる治療や、補助人工心臓、心臓移植といった高度な医療が検討されることもあります。
薬による治療とあわせて、塩分を控えた食事、無理のない範囲での運動、禁煙、飲酒量の見直しなどが再発予防の柱になります。
できることから少しずつ取り入れ、無理なく続けていくことが、長い目で見て症状の安定につながります。
動悸や息切れ、むくみといった症状は、慢性心不全以外の病気でも見られることがあります。
気になる症状がある場合は、自己判断せず医療機関で相談することが大切です。
- 貧血:血液中で酸素を運ぶ力が弱まり、動悸や息切れ、倦怠感が起こりやすくなります。特に女性は月経や偏った食生活が原因で起こりやすい病気です。
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD):長引く咳や痰、階段や坂道での息切れが特徴で、喫煙歴のある方に多くみられます。
- 甲状腺機能低下症:全身の代謝が落ち、むくみや倦怠感、体重の変化、寒がりになるなどの症状がみられます。
- 慢性腎臓病:尿量の減少や足のむくみなど、心不全と似た症状が出ることがあり、心臓と腎臓は互いに影響し合う関係にあります。
- パニック障害・不安障害:突然の動悸や息苦しさを繰り返す点が共通していますが、検査では心臓に異常が見つからないことが多いのが特徴です。
女性は月経などの影響で鉄分が不足しがちなので、食事で摂りきれない分をサプリメントで補う人も増えています。
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元看護師のライターが、医療・健康ジャンルの記事づくりを丁寧にサポートします。
動作時の息切れ、体のむくみ、急な体重増加などのサインに気づいたら、早めに医療機関を受診することが、症状の進行を防ぐ第一歩になります。
ご自身やご家族の体調で気になることがあれば、一人で抱え込まず、専門家に相談してみてくださいね。
まずは自宅でできるチェックから、はじめてみませんか?


