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感染経路の種類と予防策|手洗い・消毒・マスクの選び方

感染経路の種類と予防策|手洗い・消毒・マスクの選び方 健康コラム

ニュースで新しい感染症が話題になるたび、「飛沫感染」「接触感染」といった言葉を目にすることがあると思います。
でも、それぞれの違いや、自分にできる予防策までは、意外とあいまいなまま、という方も多いのではないでしょうか。
病気の種類によって、うつり方も、有効な対策も変わってきます。
この記事では、感染経路の主な種類と代表的な感染症、そして手洗い・消毒・マスクなど日常でできる予防策の使い分けについて、看護師ライターの視点でまとめてお伝えします。

Summary
この記事でわかること
  • 感染経路にはどんな種類があるのか
  • それぞれの経路で広がる代表的な感染症
  • 手洗いの基本と、消毒液の正しい使い分け
  • マスクや手袋を使うべき場面の目安
感染経路の主な種類

感染症は、病原体(感染源)・感染経路・宿主となる人の3つがそろって初めて成立するといわれています。
このうち「感染経路」は、大きく6つのタイプに分けて説明されることが多いです。
まずは、それぞれの特徴を表で確認してみましょう。

感染経路特徴代表的な感染症
接触感染感染者や汚染されたもの(ドアノブ・手すりなど)に直接・間接的に触れることでうつるノロウイルス、とびひ(伝染性膿痂疹)など
飛沫感染咳・くしゃみ・会話で飛び散った水分を含む粒子(飛沫)を吸い込むことでうつる。届く範囲はおよそ1〜2mインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症、マイコプラズマ肺炎など
空気感染(飛沫核感染)飛沫の水分が蒸発してできた微粒子が空気中を長時間漂い、離れた場所でも吸い込むことでうつる結核、麻しん(はしか)、水痘(水ぼうそう)など
経口感染(糞口感染)病原体に汚染された飲食物や手を介して、口から体内に入ることでうつるサイクロスポラ症、腸管出血性大腸菌感染症など
血液・体液媒介感染感染者の血液や体液に、傷口や粘膜を通じて触れることでうつるエボラ出血熱、B型・C型肝炎など
蚊媒介感染病原体を持った蚊に刺されることでうつる。人から人へは直接うつらないマラリア、デング熱、日本脳炎など

なお、レジオネラ症のように、加湿器や循環式浴槽など環境中の水しぶき(エアロゾル)を吸い込むことで感染する病気もあります。
これは人から人へうつるものではなく、上記の分類にきれいに当てはまらない、少し特殊なタイプといえます。
病原体によっては、複数の経路をあわせ持つケースもあるため、あくまで大まかな目安として捉えていただければと思います。

代表的な感染症とうつり方の特徴

ここでは、経路ごとの特徴を、もう少し詳しくみていきましょう。

接触感染・経口感染

接触感染は、感染者との直接的な触れ合いのほか、ウイルスが付着したドアノブや手すりに触れた手で口や鼻を触ることでも起こります。
経口感染は、汚染された飲食物を口にすることで、消化器の症状を中心に引き起こすタイプです。
どちらも、こまめな手洗いが最も基本的な対策になります。

飛沫感染・空気感染

飛沫感染と空気感染は、どちらも呼吸器を通じてうつる点は共通していますが、粒子の大きさと、空気中を漂う距離・時間が異なります
飛沫は比較的重く、1〜2m程度で床に落ちるのに対し、空気感染を起こす飛沫核はごく軽いため、部屋の中を長時間漂うことがあります。
そのため、空気感染する病気には、換気や特別な防護が必要になる場合があります。

血液・体液媒介感染・蚊媒介感染

血液・体液媒介感染は、日常生活で他人の血液や体液に触れる機会自体が少ないため、通常の生活の中で感染するリスクは高くありません
医療現場や、感染者の看病をする場面などで、注意が必要になる経路です。
蚊媒介感染は、海外の流行地域に渡航する際に、虫よけスプレーや長袖・長ズボンでの対策が特に重要になります。

日常でできる感染予防策

感染経路によって、有効な予防策は少しずつ異なります。
ここでは、手洗い・消毒液・マスク・手袋という4つのポイントに分けてお伝えします。

手洗い|すべての基本

接触感染・経口感染はもちろん、飛沫感染の対策としても、石けんを使った丁寧な手洗いが基本になります。
目安として30秒程度、指の間や爪の間、手首まで、しっかり洗い流すことが推奨されています。
外出後や食事の前、トイレの後には、意識して手を洗う習慣をつけたいですね。

消毒液|アルコールと次亜塩素酸ナトリウムの使い分け

消毒用アルコールは、インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスなど、多くのウイルスに効果がありますが、ノロウイルスやロタウイルスにはほとんど効果がないとされています。
これらのウイルスによる嘔吐物やふん便を処理するときは、次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤を薄めたもの)を使うのが基本です。
次亜塩素酸ナトリウムは金属を傷めたり、皮膚への刺激があったりするため、手指の消毒には使わず、使用後はしっかり換気・水拭きをすることも大切です。

Point

ふだんの環境の消毒には200ppm、嘔吐物などで汚染がひどい場所には1,000ppm程度の濃度が目安とされています。
市販の漂白剤は製品ごとに濃度が異なるため、使用前にラベルの表示を必ず確認しましょう。

マスク|飛沫用と空気感染用は種類が違う

一般的な不織布マスク(サージカルマスク)は、飛沫感染の対策として広く使われています。
一方、結核や麻しんなど空気感染する病気に対しては、顔に密着するN95マスクが必要とされ、これは主に医療現場で使われる特殊なマスクです。
日常生活では、外出時や人混みでの咳エチケットとして、一般的な不織布マスクを正しく着用することが、現実的な対策の目安になります。

手袋|血液・体液に触れる可能性があるときに

感染者の看病や、嘔吐物・排泄物の処理をするときは、使い捨て手袋を着用してから対応するのが基本です。
使用後の手袋は、表面に触れないように内側から外し、そのまま廃棄したうえで、必ず石けんで手を洗うようにしましょう。
マスクや手袋は、着けて終わりではなく、正しく外して処分するところまでが対策の一部です。

まとめ|経路を知ることが、予防の第一歩
Point
この記事のポイント
  • 感染経路には、接触感染・飛沫感染・空気感染・経口感染・血液体液媒介感染・蚊媒介感染などの種類があります
  • 病気によってうつり方が異なるため、有効な予防策も変わってきます
  • 手洗いは、多くの感染経路に共通する、もっとも基本的な対策です
  • ノロウイルスなど一部のウイルスには、アルコールより次亜塩素酸ナトリウムが有効です
  • マスクは飛沫用と空気感染用で種類が異なり、手袋は血液・体液に触れる場面で活用します

感染経路を知っておくと、ニュースで新しい病気の話題を見たときにも、落ち着いて情報を受け止めやすくなります。
ほかの病気の解説記事もあわせてチェックしてみてくださいね。
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参考文献

この記事の作成にあたり、以下の情報を参考にしています。

・内閣感染症危機管理統括庁「感染症の基礎知識」
https://www.caicm.go.jp/knowledge/index.html

・厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/03.html

・こども家庭庁「保育所における感染症対策ガイドライン」
https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/1fa64474-22c1-4eae-8945-c9ad7e515db8/7c64d0cd/20230401_councils_hoiku-kansen-gl_050426_05.pdf

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