視力が落ちたと感じたとき、多くの人は老眼や疲れ目を思い浮かべます。
しかし、その陰に緑内障(りょくないしょう)が隠れていることがあります。
日本では失明原因の上位に挙げられる病気でありながら、初期は自覚症状が少なく、気づかないまま進行してしまうのが特徴です。
概要
緑内障とは、視神経(目から脳へ情報を伝える神経)が障害を受け、視野が徐々に狭くなる病気です。
- 眼圧(目の中の圧力)の上昇が一因
- 正常眼圧緑内障(眼圧が正常でも発症するタイプ)も多い
- 中高年以降に増え、誰でもかかる可能性がある
一度失った視野は回復できないため、早期発見がとても重要です。
主な症状
緑内障は初期の自覚症状がほとんどありません。
気づいたときには視野の欠けが進んでいることもあります。
- 視野が部分的に欠ける
- 見える範囲がだんだん狭くなる
- 視力が落ちても眼鏡で矯正できない
- 進行すると日常生活に支障が出る
急性のタイプでは、目の痛みや頭痛、吐き気を伴うことがあり、緊急対応が必要です。
主な治療法
緑内障の治療は、進行を遅らせることが目的です。
- 点眼薬(眼圧を下げる薬)
- レーザー治療(眼の中の房水の流れを改善)
- 手術(薬で効果が不十分な場合に行う)
早期に治療を始めることで、視力を長く保つことが可能になります。
定期検診で発見し、医師の指導に従うことが大切です。
予防・セルフケア
緑内障を完全に防ぐ方法はありませんが、日常生活でできる工夫はあります。
- 40歳を過ぎたら定期的に眼科検診を受ける
- 適度な運動とバランスのよい食事で全身の健康を保つ
- 長時間のスマホやパソコン作業では休憩を取る
- 家族に緑内障の人がいる場合は特に注意
「自分は大丈夫」と思わず、早めの検査が何よりの予防につながります。
まとめ
緑内障は、日本人の失明原因の中でも特に多い病気です。
初期には症状が出にくいため、定期的な検診が欠かせません。
早めに発見し、治療と生活習慣の工夫で進行を抑えることが、視力を守るいちばんの近道です。