ここ数年、日本でも梅毒の患者数が増えていると報告されています。
感染から時間が経つと症状が分かりにくくなるため、気づかないうちに進行することもあります。
正しい知識を持って予防や早期発見につなげることが大切です。
概要
梅毒は、梅毒トレポネーマ(細菌の一種)という病原体によって起こる性感染症です。
主に性行為を通じて感染しますが、妊娠中の母親から赤ちゃんへ感染する母子感染もあります。
放置すると全身に影響を及ぼすため、早めの検査と治療が重要です。
主な症状
梅毒は進行段階によって症状が変化します。
- 第1期:感染部位にしこりや潰瘍(かいよう)ができる
- 第2期:皮膚や粘膜に発疹が広がり、リンパ節の腫れや発熱がみられる
- 潜伏期:症状が一時的に消えるが、体内に菌は残っている
- 第3期以降:心臓や神経など全身に障害が及ぶことがある
早期には痛みを伴わない場合が多く、気づきにくいのが特徴です。
主な治療法
適切な抗菌薬を使えば治療可能な病気です。
- ペニシリン系抗菌薬:第一選択薬として広く使われる
- アレルギーがある場合は別の抗菌薬を使用
- 治療後も定期的に血液検査を行い、菌が消えたか確認する
症状がなくても、パートナーが感染している場合は検査を受けることが勧められます。
予防・セルフケア
感染を防ぐために、次のような対策が大切です。
- 性行為の際はコンドームを正しく使用する
- 不特定多数との性的接触を避ける
- 定期的に性感染症の検査を受ける
- 妊娠中は必ず妊婦健診で検査を受ける
感染の広がりを防ぐため、異変を感じたら早めに医療機関を受診しましょう。
まとめ
梅毒は進行すると重い合併症を引き起こす可能性がありますが、早期発見と治療で治せる病気です。
症状がなくても感染していることがあるため、予防と検査を意識することが自分と周囲を守ることにつながります。