40〜50代の女性に増えている「子宮体がん(しきゅうたいがん)」は、女性ホルモンの変化や生活習慣の影響が関係するといわれています。
閉経後に不正出血がある場合は、早めの受診が大切です。
ここでは、子宮体がんの基本的な知識をわかりやすくまとめます。
概要
子宮体がんは、子宮の内側をおおう子宮内膜(しきゅうないまく)に発生するがんです。
女性ホルモンの一つであるエストロゲン(卵胞ホルモン)の刺激を長期間受け続けると、がん細胞ができやすくなると考えられています。
主なリスク要因としては以下の通りです。
- 閉経後や月経不順のある女性
- 肥満や糖尿病
- 出産経験がない、または初産年齢が高い
- エストロゲン製剤の長期使用
比較的進行が遅く、早期発見できれば予後(治療後の経過)も良好です。
主な症状
もっとも多いのは、不正出血です。
特に閉経後の出血は注意が必要です。
主な症状には次のようなものがあります。
- 生理以外の出血(少量でも要注意)
- 茶色いおりものや血の混じった分泌物
- 下腹部痛や腰の重だるさ
- 進行すると体重減少や貧血(ひんけつ)
早期段階では自覚症状が少ないこともあり、「年齢のせい」と見過ごしてしまうケースもあります。
主な治療法
治療の基本は手術療法です。がんの広がりや患者の年齢・体調によって治療方針が変わります。
主な方法には以下があります。
- 手術療法:子宮と卵巣・卵管を摘出するのが一般的。
- 放射線療法:再発予防や転移(てんい)に対して行われる。
- 化学療法:進行がんや再発時に使用。
最近では、早期の子宮体がんで妊娠を希望する場合、ホルモン療法を行うケースもあります。
医師と相談しながら、自分に合った治療を選ぶことが大切です。
予防・セルフケア
完全に防ぐことは難しいですが、リスクを下げるためにできることがあります。
- 適正体重の維持(肥満はホルモンバランスを乱す)
- 野菜・魚・大豆製品などのバランスの良い食事
- 定期的な婦人科検診(特に閉経後の不正出血は必ず相談)
- ホルモン治療を受けている人は、医師の指導に従う
体の小さな変化を見逃さず、早めの受診を心がけましょう。
まとめ
子宮体がんは、早期発見すれば高い確率で治療できる病気です。
不正出血やおりものの変化が続くときは、ためらわず婦人科へ相談を。
年齢や体質のせいにせず、「おかしいな」と思ったときが受診のタイミングです。