百日咳は、長く続く激しい咳が特徴の感染症です。
子どもに多い病気として知られていますが、大人でもかかることがあります。重症化すると乳幼児にとって命に関わるため、正しい理解と予防が欠かせません。
概要
百日咳は、百日咳菌(細菌の一種)が原因で起こる呼吸器感染症です。
- 主に飛沫(ひまつ)感染によって広がる
- 乳幼児に多いが、免疫が薄れている大人も感染することがある
- 流行は数年ごとに繰り返される傾向がある
名前のとおり、咳が長期間続くのが大きな特徴です。
主な症状
発症からの経過で症状が変化します。
- カタル期(初期):鼻水や軽い咳、風邪に似た症状
- 痙咳期(けいがいき):発作的な咳が続き、咳のあとに「ヒュー」という音(笛声)が出ることがある
- 回復期:咳は次第に治まるが、数週間〜数か月続く場合がある
特に乳児では無呼吸発作や肺炎を引き起こすことがあり、注意が必要です。
主な治療法
早期に治療を始めることで重症化を防ぐことができます。
- マクロライド系抗菌薬(クラリスロマイシンなど):菌の増殖を抑える
- 症状が強い場合は入院して酸素投与や点滴が行われることもある
- 咳止めは効果が限られるため、基本は原因菌を抑える治療が中心
早めに受診し、適切な薬を使うことが回復への近道です。
予防・セルフケア
ワクチンによる予防が最も有効です。
- 定期予防接種(四種混合ワクチン)を確実に受ける
- 成人も免疫が弱まるため、流行期には追加接種が勧められる場合がある
- 咳があるときはマスクを着用し、周囲への感染を防ぐ
- 栄養と休養をとり、体力を保つ
家族内での感染を防ぐため、症状がある人は早めに医療機関を受診することが大切です。
まとめ
百日咳は誰でもかかる可能性がある感染症ですが、ワクチンで防げる病気でもあります。
長引く咳は単なる風邪と区別がつきにくいため、気になるときは早めに検査を受けましょう。
予防と早期治療で安心して生活を守ることができます。