麻しん(はしか)は、非常に感染力が強いウイルス感染症です。
子どもの病気と思われがちですが、大人がかかると重症化しやすく、合併症の危険も高まります。
流行を防ぐためには、正しい知識と予防が欠かせません。
概要
麻しんは、麻しんウイルスによって起こる感染症です。
- 飛沫(ひまつ)感染や空気感染で広がりやすい
- 一度かかると強い免疫がつくが、再感染を防ぐためにはワクチン接種が重要
- 発症すると学校や職場で大きな流行につながる恐れがある
感染力はインフルエンザよりもはるかに強く、免疫がない人はほぼ確実に感染するとされています。
主な症状
症状は段階的に進んでいきます。
- 初期:発熱、鼻水、せき、目の充血など風邪に似た症状
- 発疹期:高熱とともに赤い発疹が顔から全身へ広がる
- 特徴的な所見:口の中に小さな白い斑点(コプリック斑)が現れる
合併症として肺炎や脳炎を起こすことがあり、命に関わる場合もあります。
主な治療法
麻しんに特効薬はありません。治療は症状を和らげ、合併症を防ぐことが中心となります。
- 解熱剤や水分補給で体を休める
- 重症時には入院して酸素投与や点滴治療を行う
- 合併症が疑われる場合は早急な対応が必要
自然に回復するケースも多いですが、体力を消耗しやすいため十分な休養が欠かせません。
予防・セルフケア
最も有効な予防法はワクチン接種です。
- MRワクチン(麻しん・風しん混合ワクチン)を2回接種することが推奨されている
- 成人でも、接種歴が不確かであれば検査や追加接種を検討する
- 流行期には人混みを避け、体調不良があれば外出を控える
- 家族や周囲に感染を広げないため、早めの受診も大切
ワクチンによる集団免疫が社会全体を守ることにつながります。
まとめ
麻しんは強い感染力と重い合併症が特徴の病気です。
特効薬がないため、予防接種で守ることが最も効果的な方法といえます。
自分自身だけでなく、大切な人や社会を守るために、ワクチンと早期の対応を意識しましょう。