肝臓に炎症を起こす病気のひとつにB型肝炎があります。
症状が目立たないまま進行することもあり、知らないうちに慢性化してしまうことも少なくありません。
正しく理解し、日常でできる予防を意識することが大切です。
概要
B型肝炎は、B型肝炎ウイルス(HBV)に感染することで起こる病気です。
血液や体液を介して感染し、世界中で広くみられる疾患のひとつです。
- 一過性で自然に治る場合がある(急性B型肝炎)
- 長期間にわたり体内にウイルスが残る場合がある(慢性B型肝炎)
慢性化すると肝硬変(かんこうへん)や肝がんへと進展するリスクがあるため、注意が必要です。
主な症状
急性と慢性で症状に違いがあります。
- 急性B型肝炎:発熱、倦怠感、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)、食欲低下、吐き気
- 慢性B型肝炎:はっきりした症状が出にくい。進行すると肝硬変や肝がんを引き起こすことがある
初期には風邪のような症状で気づきにくいのが特徴です。
症状が軽いからといって安心はできません。
主な治療法
現在の医療では、完全にウイルスを排除することは難しいとされています。
しかし、治療で進行を抑え、合併症を防ぐことが可能です。
- 抗ウイルス薬(核酸アナログ製剤):ウイルスの増殖を抑える
- インターフェロン療法:免疫を高め、ウイルスを排除しやすくする
- 定期的な血液検査や画像検査:病状の進み具合を確認
医師と相談しながら長期的に管理することが大切です。
予防・セルフケア
感染を防ぐにはワクチン接種が有効です。
日本でも予防接種が推奨されており、乳児への定期接種として行われています。
日常生活での対策も大切です。
- 注射針やカミソリを共用しない
- 性行為ではコンドームを使用する
- 体調に合わせたバランスの良い食事と十分な休養
- 定期的な健診で肝機能をチェック
特に家族やパートナーが感染している場合は、感染予防の意識を高めることが欠かせません。
まとめ
B型肝炎は誰でも感染する可能性がある病気です。
症状が軽くても慢性化するリスクがあるため、早めの検査と適切な管理が重要です。
ワクチンで予防できる病気だからこそ、日頃からの意識が自分や周りを守ることにつながります。