冬になると急に広がる胃腸炎の代表格が、ノロウイルス感染症です。
家族や職場で次々と体調を崩してしまうこともあり、身近でありながら非常に感染力の強い病気です。
正しい知識を持っていれば、慌てずに対応することができます。
概要
ノロウイルスは、人から人へ、あるいは食べ物や環境を介して広がるウイルスです。
- 冬場を中心に流行する
- 感染力が強く、少量でも発症する
- 保育園や学校、介護施設など集団生活の場で広がりやすい
体内に入ると腸に炎症を起こし、急性胃腸炎として症状が現れます。
主な症状
発症から1〜2日程度で症状が出て、数日で回復することが多いですが、体力を消耗しやすいのが特徴です。
- 激しい下痢
- 吐き気やおう吐
- 発熱(高熱は少ないが微熱程度)
- 腹痛や全身のだるさ
特に乳幼児や高齢者は脱水になりやすいため、注意が必要です。
主な治療法
ノロウイルスに特効薬はありません。
治療は症状を和らげることが中心になります。
- 水分補給(経口補水液などで脱水を防ぐ)
- 消化にやさしい食事を少しずつ取る
- 嘔吐が強いときは安静を優先
重症例では点滴治療が行われます。
体力が落ちていると合併症を起こすこともあるため、早めの医療機関受診が安心です。
予防・セルフケア
感染力が強いため、家庭内でも広がらない工夫が欠かせません。
- 手洗いは石けんを使い、30秒以上かけて丁寧に行う
- 調理器具や衣類は熱湯や塩素系漂白剤で消毒する
- 嘔吐物や便の処理は使い捨て手袋とマスクを使用する
- 二枚貝(特にカキ)は中心部までしっかり加熱する
日常のちょっとした注意で、感染の広がりを防ぐことができます。
まとめ
ノロウイルス感染症は、誰にでもかかる可能性があり、集団で一気に広がることも珍しくありません。
特効薬はないため、水分補給と安静が早期回復のカギとなります。
正しい予防とセルフケアで、自分や家族の健康を守りましょう。