食後に胸やけが続いたり、夜寝る前に酸っぱい液が上がってくるような不快感があるとき、それは逆流性食道炎(ぎゃくりゅうせいしょくどうえん)かもしれません。
「よくある症状だから」と放置してしまうと、食道の炎症が長く残ることもあるため注意が必要です。
概要
逆流性食道炎は、胃酸が食道に逆流して炎症を起こす病気です。
- 胃の入り口にある下部食道括約筋(胃酸の逆流を防ぐ筋肉)の働きが弱まる
- 脂っこい食事や過食、飲酒で悪化しやすい
- 加齢や肥満も発症のリスクとなる
つまり、誰にでも起こり得る身近な消化器の病気といえます。
主な症状
逆流性食道炎でよく見られる症状は以下の通りです。
- 胸やけ(胸の奥が熱く感じる)
- 呑酸(どんさん/口まで酸っぱい液が上がってくる)
- のどの違和感や咳(せき)が続く
- 食後や横になったときに悪化しやすい
風邪や胃もたれと間違えられることも多いため、症状が繰り返すときは医療機関に相談すると安心です。
主な治療法
治療の中心は薬による胃酸のコントロールです。
- プロトンポンプ阻害薬(PPI/胃酸の分泌を強く抑える薬)
- H2ブロッカー(胃酸を減らす薬)
- 生活習慣の改善指導
重症の場合は手術で逆流を防ぐ処置が行われることもあります。
多くの人は薬と生活改善で症状が落ち着くため、早めに治療を始めることが大切です。
予防・セルフケア
日常生活の工夫で症状を和らげることができます。
- 食べすぎ・飲みすぎを避ける
- 脂っこいものやアルコール、炭酸飲料は控える
- 就寝の2~3時間前には食事を終える
- 枕を少し高くして寝る
ストレスや不規則な生活も悪化の要因になります。
無理のない範囲で生活習慣を整えることが予防につながります。
まとめ
逆流性食道炎は、胸やけや呑酸など身近な症状から気づくことができる病気です。
放置せずに医師へ相談し、薬と生活習慣の改善で早めに対策をとることが大切です。
ちょっとした工夫で再発も防ぎやすくなります。
気になる症状が続くときは、早めに受診しましょう。