動悸が続いたり、汗が止まらなかったりすると「ただの疲れ」と思ってしまうこともあるでしょう。
しかし、その裏に甲状腺(こうじょうせん)の病気が隠れている場合があります。
今回は、代表的なホルモン異常のひとつである甲状腺機能亢進症(バセドウ病)について、症状や治療、生活で気をつけたいことを整理します。
概要
甲状腺は首の前側にある小さな臓器で、代謝をコントロールするホルモンを分泌しています。
この病気では甲状腺ホルモンが過剰に作られ、体がオーバーヒートしたような状態になります。
- 主な原因は自己免疫(じこめんえき)の異常
- 女性に多く、20〜40代で発症しやすい
- バセドウ病とも呼ばれ、遺伝やストレスも関係するといわれています
主な症状
甲状腺ホルモンが増えることで体の働きが活発になり、次のような症状が出てきます。
- 動悸や息切れがしやすい
- 手のふるえ
- 暑がりで汗をかきやすい
- 食欲はあるのに体重が減る
- イライラや不安感が強くなる
- 目が出てくるように見える(眼球突出 がんきゅうとっしゅつ)
これらは日常生活に支障をきたすだけでなく、放置すると心臓に負担がかかることもあります。
主な治療法
治療の目的はホルモンの過剰分泌を抑えることです。
- 薬物療法:抗甲状腺薬(こうじょうせんやく)でホルモンを抑える
- 放射性ヨウ素療法:ヨウ素の力で甲状腺の働きを弱める
- 手術療法:甲状腺の一部を取り除く
症状や年齢、生活背景によって治療方法は異なるため、医師と相談して選ぶことが大切です。
予防・セルフケア
完全に予防する方法はありませんが、生活の中で意識できることがあります。
- 睡眠や休養をしっかりとる
- ストレスをためこまない工夫
- 定期的な血液検査でホルモン値をチェック
- 症状があるときは自己判断で市販薬を使わず、医師に相談
小さな体調の変化に気づくことが早期発見につながります。
まとめ
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)は、体がエネルギーを使いすぎる状態になる病気です。
動悸や体重減少など身近な症状から始まることが多いため、気になるサインがあれば早めの受診が安心につながります。
生活習慣を整えながら、必要に応じて医療のサポートを受けることが大切です。