足の親指の付け根が突然赤く腫れ、激しい痛みに襲われる――そんな症状で知られるのが痛風です。
その背景には「高尿酸血症」があります。
生活習慣と深く関わる病気のため、放置すると合併症にもつながります。
今回は、高尿酸血症と痛風について、症状や治療、日常でできる予防法をまとめました。
概要
高尿酸血症とは、血液中の尿酸(にょうさん)の濃度が高くなった状態を指します。
尿酸はプリン体という物質が分解されてできる老廃物で、通常は尿と一緒に体外へ排出されます。
しかし、体内で作られすぎたり、排泄がうまくいかなかったりすると尿酸値が上昇します。
その結果、関節に尿酸の結晶がたまり、痛風発作を引き起こすことがあります。
さらに、腎臓病や動脈硬化などの生活習慣病とも関連があるため、注意が必要です。
主な症状
高尿酸血症自体には自覚症状がほとんどありません。
ただし、尿酸値が一定以上になると以下のような症状が出ることがあります。
- 足の親指の付け根に起こる突然の激しい痛み(痛風発作)
- 関節の赤み・腫れ
- 発作が繰り返されることで関節の変形
- 尿路結石(にょうろけっせき)による背中や腰の強い痛み
特に初めての発作は夜間に起こることが多く、歩くのも困難になるほど強い痛みに見舞われます。
主な治療法
治療の目的は、痛みを抑えることと、再発や合併症を防ぐことです。
- 発作時には消炎鎮痛薬で痛みを和らげる
- 発作が落ち着いたら、尿酸値を下げる薬を継続的に使用する
- 合併症の有無に応じて、血圧や血糖の管理も行う
薬物治療は医師の指示に従って継続することが大切です。
自己判断で中断すると再発のリスクが高まります。
予防・セルフケア
日常生活の工夫で発作や合併症を防ぐことが可能です。
- 水分を1日1.5〜2リットルほど意識してとる
- プリン体を多く含む食品(ビール、内臓肉、魚の干物など)は控える
- 野菜や海藻を積極的にとる
- アルコールを減らす
- 肥満の改善や適度な運動を習慣にする
特に水分補給は尿酸を体外へ排出するために重要です。
運動は無理のない範囲で、ウォーキングなど軽めの有酸素運動がおすすめです。
まとめ
高尿酸血症は放置すると痛風や腎臓病などを引き起こす可能性がありますが、生活習慣の改善と薬の継続で予防・管理が可能です。
日々の食事や運動に気をつけ、定期的に尿酸値をチェックすることが健康維持につながります。