生理がなかなか来ない、体重が増えやすい、肌荒れが続く。
こうした不調が重なっている場合、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)が関わっているかもしれません。
女性に比較的多い病気で、不妊の原因になることもあるため、早めの理解が大切です。
概要
PCOSは、卵巣に多数の小さな卵胞(らんほう)が並び、排卵がうまく起こらない病気です。
- ホルモンバランスの乱れが原因とされる
- 10〜20代の若い世代でも発症する
- 不妊治療の場面で見つかることも多い
生活習慣の影響も大きく、肥満やインスリン抵抗性(血糖値を下げにくい体質)が関係することもあります。
主な症状
症状には個人差がありますが、代表的なものは次の通りです。
- 月経不順や無月経(生理が来ない)
- 排卵障害による不妊
- にきびや多毛(男性ホルモンの影響)
- 体重増加や肥満傾向
見た目の変化や月経の乱れが続くことで、精神的な負担につながることもあります。
主な治療法
治療は妊娠の希望があるかどうかで方針が異なります。
- 生活習慣の改善(体重管理、食事や運動)
- ホルモン療法(低用量ピルなどで月経を整える)
- 排卵誘発剤(妊娠を希望する場合に使用)
- インスリン抵抗性の改善薬を使うこともある
症状やライフステージに合わせて、医師と相談しながら治療を選ぶことが大切です。
予防・セルフケア
完全に防ぐことは難しいですが、生活習慣の工夫で改善につながります。
- バランスの取れた食事で血糖値の安定を意識する
- 適度な運動で体重をコントロールする
- 睡眠を整えてホルモンバランスをサポート
- 月経や体調の変化を記録して受診時に伝える
セルフケアだけでは不十分な場合も多いため、医療との併用が欠かせません。
まとめ
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、排卵がうまくいかず月経不順や不妊の原因となる病気です。
生活習慣の改善や薬による治療でコントロールが可能です。
気になる症状があるときは、婦人科で早めに相談することが安心につながります。