手を何度も洗ったり、戸締まりを何度確認しても不安が消えない。
こうした行動が生活に大きな負担を与えている場合、強迫性障害(OCD)の可能性があります。
身近に見られる心の病気のひとつですが、適切な治療で改善が期待できます。
概要
強迫性障害は、不安やこだわりにとらわれ、繰り返し同じ行動や思考をしてしまう病気です。
- 自分でも「やりすぎだ」と分かっていてもやめられない
- 脳内の神経伝達物質の働きや、ストレスが関係していると考えられている
- 子どもから大人まで幅広い年代にみられる
一時的な心配や確認癖とは異なり、生活に支障が出るのが特徴です。
主な症状
症状は大きく「強迫観念(繰り返し浮かぶ不安な考え)」と「強迫行為(不安を打ち消そうとする行動)」に分けられます。
- 過剰な手洗いや掃除
- 何度も確認する(鍵、ガス栓など)
- 決まった順序で物事を行わないと落ち着かない
- 縁起や数字に強いこだわりがある
本人にとっても「やりすぎ」と感じながら続けてしまう点が大きな特徴です。
主な治療法
強迫性障害の治療は時間をかけて行われます。
- 抗うつ薬(特にSSRI/脳内のセロトニンを調整する薬)
- 認知行動療法(不安に向き合い行動を変える訓練)
- 家族への心理教育(理解とサポートの促進)
- 症状に合わせた環境調整
薬と心理療法を組み合わせることで改善が期待できます。
予防・セルフケア
完全に防ぐことは難しいですが、症状を和らげる工夫は可能です。
- 睡眠や食事のリズムを整える
- 運動や趣味でストレスを減らす
- 信頼できる人や医師に早めに相談する
- 「不安を一人で抱え込まない」意識を持つ
セルフケアだけで治る病気ではないため、専門的な治療と併用することが大切です。
まとめ
強迫性障害(OCD)は、不安やこだわりが強く、繰り返し行動をせずにはいられなくなる病気です。
生活に支障が出ているときは、専門医による治療が必要です。
薬や心理療法を取り入れることで改善し、安心した生活を取り戻せる可能性があります。